閑話休題

ブログの効能と言わば何ぞ其れ日々の由なし事の記帳に限らんや

ネタバレあり映画感想:利休にたずねよ~海老蔵の魂,細部に宿る~

 
多くのレビューでは茶道の心が朝鮮伝来のように描かれていてねつ造であるという感想がほとんど.時代考証に問題があるのは確かだが,そこはけっしてこの映画を評価する際の核になるべき要素ではないと思うのだが……
 映画館を出てもしばらくの間,聞こえる音見える景色がいつもと違った.市川海老蔵の演技がそうさせたに違いない.※後半はネタバレ気味です.あしからず.

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データだけでみる12球団史:広島カープ~一度だけの黄金期~

映画"42"でのパイレーツいじりに感銘を受け,12球団の2リーグ制以降の勝率と通算の勝敗収支(各シーズン終了時点での通算勝利数-通算敗北数)をグラフ化してみた.
今日は広島カープ.今シーズンはCS導入後初のAクラス入りを果たした.過去64年の戦いぶりはいかほどか

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ネタバレなし映画感想:ローマでアモーレ−うつに対する一つの対処法−その2


前回が驚くほど冗長になったので,その2です.http://castanophilia.hatenadiary.com/entry/2013/12/02/130301

幸せは「今ここにあるもの」のなかにある

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 ウッディアレンの映画は「人生は虚しい」という身もふたもない観念を公衆の面前に晒すものだ.しかしこと近年の作品に関してはそういった「諦観」で終わっていないところがすごいと思っている.

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ネタバレなし映画感想:もらとりあむタマ子 -前田敦子の生々しさに感服-


久々に良い映画を見た気がする.映画が終わるのが寂しくてもっと見ていたい気分になった.
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前田敦子について

この映画の前田敦子,かなり不細工だ.もちろん良い意味でね.特に映画前半はちょっと目を背けたくなるくらいだ.詳細は映画館でのお楽しみだが,冒頭のシーンは例のスキャンダル(?)を意識したカットとしか思えない.あれは事務所とかOKだったのか?
その不細工さは,生々しい不細工さに他ならない.奇麗どころの女優さんが,おブスさんの役をやるときは,コミカルだったりあるいはすごく非現実的なキャラクターだったりと,何らかの「保険」がかけてあることがほとんどだ.例えば「リバウンド」の相武紗季はおデブさんの役をやったし,「モンスターの」高岡早紀は醜い女の役をやった.でもそれはあくまでも元の顔やスタイルの延長線上にはない不細工さでしかない.二人とも相武紗季高岡早紀に戻れば,役を演じる前と同じ「どっから見てもきれいな女優」にもどれるという保険がかかっているのだ.というかかかっていないと,ただ単に醜い姿をさらしているだけになってしまう.その姿はリアルな不細工さ,とでも言うべきものだろう.

ところが,である.前田敦子はそのリアルな不細工を本作で惜しげもなくさらしている.トイレから大声を出すシーンやスクリーンにボサボサの髪でだるそうな顔をさらしているシーンは,何か見ていけないものを見てしまったような痛々しい気持ちになる.この人普段は顔の輪郭を髪型で補正しているようなところがあるが,それすらしていないし.

でも,この生々しい不細工さが痛々しさで終わらず,たま子という人物のリアリティを生み出しているところに前田敦子の役者としての良さがあるのだろう.それはAKB48でセンターを務められたという事実とも通じる点かもしれない.言い換えればどんなに演技の技術を磨いても出せない「普通っぽさ」を演じられることこそが彼女の女優としてのストロングポイントということだ.
本作終盤では,彼女が結構長い時間しゃべるシーン(といってもこの映画の中では結構長いというだけで普通の映画ならままあるシーンだけど)が登場するが,そこでもこの「普通っぽさ」は生きている.このシーンでの彼女の演技は,ぼそぼそしゃべるわセリフは聞きとりにくいわでセオリーからはほど遠い.それにもかかわらず,いやそれゆえに,このシーンには尋常ではないリアリティが生まれている.

何もおこらない

前田敦子はさておき,本題へ入ろう.単刀直入に言ってこの映画,結局何もおこりません.映画だったら何を起こしたって良いはずだ.地球に接近する小惑星を爆破しても良いし,史実をグニャグニャに曲げておもしろおかしく清洲会議の様子を映像化したっていいんだ.でもこの映画はほとんど何もおこらない.出来事を強いてあげるならば,大卒後実家に帰省した女性が,家を出て一人暮らしをしようかな,とぼんやり決意したことくらい.そんな話普通の映画なら,とりとめもなさすぎて,成立する訳がない.
でも見た後に何も感じない訳じゃない.外から見ればちっぽけで生温い世界に生きているようにしか見えないたま子の鬱屈ともがきが,まるで我がことのように感じられるようになる.何もおこらないのにいろんなことを感じる,不思議な映画だった.
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データだけでみる12球団史:阪神タイガース〜終わった黄金期〜

映画"42"でのパイレーツいじりに感銘を受け,12球団の2リーグ制以降の勝率と通算の勝敗収支(各シーズン終了時点での通算勝利数-通算敗北数)をグラフ化してみた.

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データだけでみる12球団史:読売ジャイアンツ〜貯金1600超の大正義軍団〜

 映画"42ー"の中で,ドジャースの選手がパイレーツにトレードされることを嘆くシーンが妙に印象的だった.そのときは,そっかパイレーツって昔っからドアマットチームだったんだ,と素朴に思っただけだった.ところが,である.MLB Teams and Baseball Encyclopedia - Baseball-Reference.comをみると,パイレーツは立派に5割以上の通算成績を確保していた.長い歴史はきちんと確認しなきゃ分からないってことか.

 そこで,日本の12球団の2リーグ制以降の勝率と通算の勝敗収支(各シーズン終了時点での通算勝利数-通算敗北数)をグラフ化して遊んでみた.

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