データだけでみる12球団史:広島カープ~一度だけの黄金期~
映画"42"でのパイレーツいじりに感銘を受け,12球団の2リーグ制以降の勝率と通算の勝敗収支(各シーズン終了時点での通算勝利数-通算敗北数)をグラフ化してみた.
今日は広島カープ.今シーズンはCS導入後初のAクラス入りを果たした.過去64年の戦いぶりはいかほどか
勝敗収支と勝率5年平均
※勝率5年平均は前後2年ずつと当該年の勝率の平均値である.例えば2011年の勝率5年平均は2009年から2013年までの勝率の平均値となっている.
※勝敗収支は,(1950年以降の通算勝利数)-(1950年以降の通算敗北数).
一度だけの黄金期
黄金期は1980年代.自分はまだ生まれていないので知る由もないが,赤ヘル旋風が吹き荒れた(らしい).勝率5年平均は古葉竹識監督の5年め,1980年から0.55を上回り,1988年まで上回り続けた.勝率5年平均が球団史上最高の0.5732を記録した1985年の選手成績を掲載する.
例によって出典は1985 Hiroshima Toyo Carp Statistics -- Japanese Leagues - Baseball-Reference.com.
打線は衣笠,山本浩二が規定打席に到達してOPS0.8を超えた.チームOPSは0.771と高いがこの年はリグ平均OPSが0.771という驚異的シーズン.優勝した阪神はOPSが0.841だったので,うち負けたという感じだろうか.野手は長嶋と小早川が若手として台頭してきたが,結果的に二人ともこのシーズンがキャリアハイになってしまった……
投手陣は比較的若いメンツがそろっている.北別府,大野,川口などである.そう考えると90年代の優勝が1回にとどまったのは,強打者の系譜がうまく続かなかったからなのかな?
他の時期はいつも弱い
後はどの時期も勝率5年平均が5割を下回っている.特に50年代は3割台の低勝率に甘んじてきた.近年も勝率は低いが,創立期と比べればある程度戦えていると言ったイメージだろうか.