データだけでみる12球団史:読売ジャイアンツ〜貯金1600超の大正義軍団〜
映画"42ー"の中で,ドジャースの選手がパイレーツにトレードされることを嘆くシーンが妙に印象的だった.そのときは,そっかパイレーツって昔っからドアマットチームだったんだ,と素朴に思っただけだった.ところが,である.MLB Teams and Baseball Encyclopedia - Baseball-Reference.comをみると,パイレーツは立派に5割以上の通算成績を確保していた.長い歴史はきちんと確認しなきゃ分からないってことか.
そこで,日本の12球団の2リーグ制以降の勝率と通算の勝敗収支(各シーズン終了時点での通算勝利数-通算敗北数)をグラフ化して遊んでみた.
果たしていつがその球団の最盛期なのか,最近のパフォーマンスは歴史的には血書移しているのか?そんな疑問に答えてくれる結果が得られたので,一球団ずつ紹介していく.
読売巨人軍
図の見方
勝率は前後5年間の平均値を求めている.
勝敗収支は脅威の貯金1664!
勝敗収支がとにかく驚異的だ.64年間で貯金は1664.年平均で26の貯金をしていることになる.貯金が26ならば,144試合制で引き分けが6試合あると考えても,年間82勝!!!勝率は0.594になる.気になってセリーグの歴代優勝チームの平均勝率を調べてみた.その値は0.613.巨人の値とほぼ変わらない!!!この辺りからも巨人中心のセリーグという構造がよく見えてくる.
実は常勝軍団ではない!?
巨人は常に優勝争いをしているものの,勝率的には山あり谷あり.V9時代(1965-1973)は後半には勝率の5年間平均は低くなっている.個別のスタッツをみなければ分からないが,王をのぞく主力はV10の夢がついえた後一斉に引退している.(森,長嶋)その後は長嶋政権下で一度政権から遠ざかる.その後再び藤田-王-藤田政権下で充実期を迎える.1988年には0.6233という驚異的な勝率を収めている.川上政権下ですらこの値を超えているのは2年だけだから藤田-王-藤田政権下,は勝率的にはV9にも匹敵する時期だったことになる.