閑話休題

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ネタバレなし映画感想:キアヌ・リーブス「スイート ノーベンバー」

基本情報

監督:Pat O'conner
出演:キアヌ・リーブス, シャリーズ・セロン,Jason Isaacs, Greg Germanなど

感想

映画にはいくつかの鉄板パターンがある.難病もの然り,動物もの然り.それやっときゃある程度のウケはいただけるみたいなね.
この映画は,映画の歴史が作り上げてきた,いくつかのテンプレートをつなぎ合わせたごった煮的な作品だ.アワビもトリュフもフォアグラも,個別に食べれば間違いなくおいしい.でも全部鍋にぶち込んで煮詰めたらおいしくなるかっていうと,そんなことはない.味に纏まりがなくなって結局何食ってんのか分からなくなっておしまいってのが関の山だ.この映画にも同じことが言える.

ネルソン(キアヌ・リーブス)は広告業界で働く気鋭の広告マン.自信家で他人を蹴落とすことを何とも思っていない.結果が全てだ.自動車免許更新試験の会場で彼は謎の女性サラに出会う.ごたごたがあった末に二人は同棲を始める.仕事を首になっていたネルソンは,彼女と過ごす毎日を通して,人を自分が求める成果を達成するための道具として考えるのではなく,それ自体に意味のあるものとしてとらえるようなものの見方を身につけていく……

みたいな話だけど,冒頭にも書いた通り「ウケそうな」要素が大量にねじ込んであって胸焼け気味になってしまう.ミステリアスな美女との出会い,子供,犬,病気などなど……そんなベタな要素は一つでたくさんなんだよ.どっかでみたことあるようなはなしが並ぶので,だんだん興味もなくなっちゃう.

良かったのは,終盤にでてくるエンヤの曲.あれは溝口健二監督「山椒大夫」の安寿入水のシーンにも通じるような神秘的な雰囲気を出現させてくれている.それから最後のシーンは映像自体がとてもきれい.この二つの要素がごった煮を食わされた後の胸焼け感をうまく緩和してくれるので,見終わった後の感情は思いのほかすっきりしていた

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