閑話休題

ブログの効能と言わば何ぞ其れ日々の由なし事の記帳に限らんや

アルマジロ-感想-


アルマジロ見ました。
この映画、これまでの戦争映画のフロントラインを突破したと言ってよいのではないでしょうか。
それが特に顕著だったのは、奇襲攻撃のシーンです。もちろん戦闘シーン自体の迫力、リアリティはただただカメラマン側に脱帽という感じなのですが、それよりも衝撃だったのは戦闘後の兵士の言葉です。「俺たちのことを病気だとか狂ってるとか言う奴らがいるかもしれないが、奴らは何も知らないんだ。俺たちは正しいことをしたんだから分かる奴らが分かってくれればいい」という物言いには、フルメタルジャケットやプライベートライアンといった映画の「戦争の極限状態で狂人と化した哀れな兵士達」という戦争描写は、「安全地帯」から兵士達を描いたステロタイプな作り物に過ぎない、という思いを持たざるを得ませんでした。兵士の言葉は「ホントの戦争はそんな綺麗に図式化できない、何が正しくて正しくないかなんて誰も分からないカオスな世界なんだ」と、これまでの戦争映画に訴えているようでした。

それにしても鑑賞に体力の要求される映画ですね……