閑話休題

ブログの効能と言わば何ぞ其れ日々の由なし事の記帳に限らんや

東大定点観測 on 8/28 -福武ホール批判-

こちらで時系列変化が連続写真で見られます
東大ウェブサイトのキャンパスマップインデックス
これからは時間がある時に東大の写真を撮って時系列変化を見ていきたい.できれば正門-安田講堂前の通りを定期的に撮り続けたい.

安田講堂

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昼前に撮影.

福武ホール

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情報学環・学際情報学府の建物.情報学環は2000年に創設された大学院.情報に関わる研究の拠点となっている.具体的な学問分野としては,社会学(とりわけメディア論)と情報科学系が中心となっている.ただし「流動教員」としていろいろな研究科から教員が異動(?)してくるので,ムスリム社会の研究者や国際政治が専門の人(田中明彦先生です)もいる.そういう意味で学際的なのかな?
情報学環・福武ホール
wikipedia:福武ホール, wikipedia:情報学環
ベネッセホールディングス取締役会長の福武總一郎による個人寄付(16億5千万円!)で08年にオープンした.設計は遠藤忠雄が担当している.福武氏はメセナ活動の草分け的存在.代表的活動としては岡山県の直島で展開している「ベネッセアートサイト直島」などがある.
ベネッセアートサイト直島
もちろん美術や現代建築の観点から見たら素晴らしい建物なのは間違いないのだろうけど,個人的には周辺との調和が気になる.周辺の建物は古色蒼然,対象の香を残している.その中福武ホールの打ちっぱなしの壁,全面のガラス張りが醸す雰囲気は,正直言って浮き上がっている.
現代建築は,その素晴らしさが評価される際に,美術作品と同様に語られる傾向があるように思う.それは,スタンドアローンの作品としての意匠の妙であったり,独創性であったりする.しかしこの評価方法は本当に正しいのだろうか?建築物は人が使うものであり,具体的な空間から移動することは出来ない.従って人が利用する上での利便性と快適さを担保するという機能的制約と,周囲の環境という空間的制約は,たとえ芸術性の強い建築物であっても無視できないのではないだろうか?
この観点から見ると,福武ホールは空間的制約に対して鈍感であるような気がしてならない.周辺との調和という空間的制約を満たした上で,初めて独創性に富んだ建築物は許容されるべきなのではないだろうか.

最後にもう一言.福武ホール竣工前,同地には桜が列植されていたそうだ.本郷キャンパスはイチョウが中心の通りであり,その面積に比して桜の木は少ない.恐らく月上旬に本郷通りを歩くと,本郷キャンパス側からハラハラと桜花が舞い込んできたのだろう.

福武ホールは確かに素晴らしい.しかし在りし日の桜舞い散る本郷通りを夢想すると,いい知れずもの悲しい気分になるのも,また事実なのである.
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