閑話休題

ブログの効能と言わば何ぞ其れ日々の由なし事の記帳に限らんや

オフェンシブレーティング(Offensive Rating (ORtg))/ディフェンシブレーティング(Defensive Rating (DRtg))

要するに……


基本的な定義

基本的な定義はGlossary | Basketball-Reference.comに示されている1。翻訳して引用すると、

オフェンシブレーティング

オフェンシブレーティング:選手に適用される場合は、100ポゼッションで獲得した得点を示す。一方、チームに対して適応された場合には、100ポゼッションで獲得した得点をしめす。このレーティングはBasketball on Paperの著者である Dean Oliver によって開発された。詳細は同書を参照2

ディフェンシブレーティング

ディフェンシブレーティング:選手に適用される場合は、100ポゼッションで与えた得点を示す。一方、チームに対して適応された場合には、100ポゼッションで許した得点をしめす。このレーティングはBasketball on Paperの著者である Dean Oliver によって開発された。詳細は同書を参照[^2]。

二つのレーティングのもっとも詳細な計算方法は3を参照。ポゼッションの定義に立ち入って計算をしなければいけないので、少々複雑な計算が展開されている。

直観的理解

オフェンシブレーティング:あるチームが100回オフェンス機会を与えられたら何点取れるか。 ディフェンシブレーティング:あるチームが相手チームの100回のオフェンス機会に対してディフェンスをしたら何点取れるか。

ラン&ガンのハイテンポなバスケットを展開するチームは一試合辺りの得点が大きくなりがち。逆にセットオフェンスを中心に構成するチームはオフェンスの機会が少なくなるので一試合辺りの得点は小さくなる。だから一回一回のオフェンスのクオリティを評価するには同じポゼッション数(100)辺りの得点を比較する必要がある。 レーティングを使えばスタイルの異なるチームのオフェンス/ディフェンスのクオリティを比較できるようになる。

16-17シーズンの Team ORtg/ Team DRtg

16-17シーズンの各チームをオフェンシブレーティング順に

やはりGSWが最高のオフェンシブクオリティーを誇っている。ハーデンを中心にハイテンポなオフェンスを展開したHOUが次点。近年の基本的なトレンドとしてハイテンポなバスケットを展開するチームが上位にくる傾向がある。3pの威力ということだろうか。ローテンポのチームで上質なオフェンスを構築しているのはSASとTORの2チーム。 DRtgはSASが最高だが、GSWが次点につけているのは意外。サイズのないチームだがオフェンスもトップレベルだ。DENはDRtgもORtgもともに高く、典型的なラン&ガンのチームといえる。

留意点

\frac{ORtg}{100}*\text{Pace Factor} でPts/Gを近似することができる。DRtgも同様。 ピタゴラス勝率はこちらを使って計算したほうが平方誤差が小さくなるかもしれない。ちょっと計算してみたい。

Reference list


  1. Offensive Rating (available since the 1977-78 season in the NBA); for players it is points produced per 100 posessions, while for teams it is points scored per 100 possessions. This rating was developed by Dean Oliver, author of Basketball on Paper. Please see the article Calculating Individual Offensive and Defensive Ratings for more information.

  2. https://www.amazon.com/Basketball-Paper-Rules-Performance-Analysis/dp/1574886886

  3. Calculating Individual Offensive and Defensive Ratings | Basketball-Reference.com

レブロン・ジェームズ:クリーブランドキャバリアーズとの契約を解除してFAに

タイトルは何も嘘を言っていないが,「釣り」と取られても仕方ないかも...

www.cbssports.com

最初にこのニュースを見たときは思わずクリックしてしまったけど,"As expected"とある通り,予想通りの行動であり誰も驚いていない.記事の最後は"Don't get excited, LeBron's not going anywhere.
", 「慌てることはない,レブロンはどこにも行かないから」と締められている.

LBJは来年度の契約についてプレイヤーオプションを持っていたので,契約破棄が可能だった.そして破棄した.しかしそれは完璧に経済的な理由からの行動であるらしい.どうやら契約期間の短い契約を結び直すつもりのようだ.背景にあるのは,2016年(すなわち来オフ)にはじまる新しいテレビ放映権契約だ.deadspin.com
9年総額240億ドルの契約だそうだ.年額にしても26億ドルとなる.2007年の契約が年額9.3億円だったので,ざっと3倍.テレビ放送の録画機能が充実する中,CMがスキップできない生放送コンテンツの価値が相対的に向上していることが要因だ.
リーグとしてこれだけの収入の増加が望めるならば,選手会からmax契約の上限を引き上げることが要求されることは想像に難くない.もちろんこれからの労使交渉次第だが,多少の譲歩があると考えるのが普通だろう.
というわけでLBJはオプトアウトからの再契約を選択したようだ.

いや,でも形の上では昨年もオプトアウトからの移籍だったから,ちょっとドキッとはするのですが...

NBAドラフト2015の結果

いの一番に指名されたのが Karl Anthony Towns. リバウンド奪取能力に優れたインサイドプレーヤー. espn.go.com

2位指名はダンジェロラッセル.ガードだ.
3位指名はジャヒル・オカファー.今年のNCAAトーナメントで優勝したデュークのエースだから甲子園優勝投手のようなものだが,似たようなタイプのKATに一位の座は奪われた.
4位のクリスタプス・ポルジンギスはNYKが指名.カーメロが不満を漏らしたという噂も. www.cbssports.com

まだまだどの選手も実績がないので評価が難しいが,数年後には立派な主力になることだろう.

NBA: 名ポイントガード,スティーブ・ナッシュ引退

www.nba.com
ロサンジェルス・レーカーズのポイントガードスティーブ・ナッシュは現地時間21日,2回のシーズンMVPを含む19年間の選手生活を終えることを発表した.直近の3年間の出場は65試合にとどまった41才のカナダ人プレイヤーは自信がシニアプロデューサーを務める"Player's Tribune"にて正式に引退を発表した.

過去にナッシュとともにプレイした選手たちも彼のキャリアを祝福するコメントを残している.

グラント・ヒル

ボリス・ディアウ


また,現在MVP最有力のこの選手も

ステファン・カリー


キャリア概観

スティーブ・ナッシュはカナダのBritish Columbia州出身.Santa Clara Universityで4年間プレイしたのち, 1st round,15th pick でサンズに入団した.
頭角を現したのはトレードされたダラスである.ダラスでの後半4シーズンは毎年7アシストand15得点以上を記録し,オールスターに2度選出されている.
キャリア最盛期はサンズに出戻った後の4-5シーズンにあった.スタウドマイヤー,マリオン,ラジャベルといったフィジカルに長けたプレイヤーとともにランアンドガンで撃ち勝つバスケットボールを確立し,MVPにも04-05, 05-06の2シーズン連続で選出されている.アシストは8年間の所属期間のうち7年間でリーグ最多に輝いている.00年代後半のポイントガードといえば,ナッシュで決まりだった.
しかし,総額28Mで迎えられたLALでは怪我のためにほとんどプレーできず,結局引退に至ってしまった.よる年波には勝てなかった.スタッツの中で目を引くのは,シュートの正確性だ.ナッシュといえばアシストのイメージだが,シュートも一級品だった.キャリア通算の3P%は.428と非常に高い.また,FG%も.490とPGとしてはかなり高い.そして最も素晴らしいのがフリースロー%.彼のキャリア通算.9043は歴代最高の値である.
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雑感

自分がNBAを見始めた時,PGといえば坊主のキッドだった.ちょうどSASとファイナルを戦ったシーズンだった.しかし程なくして長髪のポイントガードが出てきた.ナッシュ率いるサンズのランアンドガンは単純に見ていた楽しい,他のチームと比べても異質なものだった.
PGのスコアラー化が進む中でナッシュのようなPGはだんだんリーグの中でのプレゼンスが低下しているが,やっぱり流れるようなファストブレイクからの豪快なダンクシュートはバスケットボールの華である.マイケル・カーター・ウィリアムズを育てているキッドが如く,ナッシュにもヘッドコーチとしてのNBAへの凱旋と,彼のような純粋PGの育成を期待したい.

NBA: MVPはカリー?レブロン?ハーデン?ウエストブルック?

NBAは60試合強が終了した.レギュラーシーズンのMVP争いは実質的に5人に絞られた.その5人とは,

  • ステファン・カリー(GSW)
  • ジェームス・ハーデン(HOU)
  • レブロン・ジェームズ(CLE)
  • ラッセル・ウエストブルック(OKC)

だ.

MVP有力候補たち

次の表はWin Share(WS)の上位20選手を掲載している.

本命

表を見る限りでは,やはりカリーとハーデンが有力だ.ハーデンはドワイトハワードが欠場を続ける中大車輪の活躍でWSランキングのトップを走っている.シュートの確率はあまり良くないが,一試合に10本のフリースローを獲得していることを考えれば,生産性はかなり高い.
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カリーは首位を走るGSWの好調さに引っ張られる形でWSを積み上げている.ハーデンよりも得点は少ないが,シュートの生産性はハワード以上.オールスターのスリーポイントコンテスト優勝が象徴するように,リーグで1,2を争う3Pシューターと言える.
http://a.espncdn.com/photo/2013/0502/nba_g_stephen-curry_mb_576.jpg

対抗

レブロンは,WSの面では二人に劣る.10試合近い欠場があるのもマイナスだ.しかしチームに与えた影響は二人をはるかに上回っている.ケビン・ラブを始めとする他のメンバーの貢献ももちろんあるが,CLEの今年の躍進はすべてレブロンの復帰から始まっている.昨年は年間で33勝しかできなかったチームが,16試合を残して41勝を挙げてイースタンの2位につけている.一方,昨年2位だった古巣MIAは,昨年の54勝をはるかに下回る28勝にとどまっており,プレーオフすら逃すかもしれない.ここまでリーグの勢力図を塗り替えてしまうような選手はMVP争いから外すべきではないだろう.


ウエストブルックはWSランキングではさらに下位に位置する.しかしオールスター以降の成績でいけばぶっちぎりのMVPだ.このままの勢いで,今シーズン10回以上のトリプルダブル達成やチーム順位の上昇をもたらすことができれば,ダークホースとして票を伸ばすかもしれない.
http://cdn.solecollector.com/media/up/2014/03/images/russell-westbrook-air-jordan-x-10-away-okc-pe.jpg

Honorable Nomination

多分選ばれることはないが,素晴らしいシーズンを送っているのはこの3人.
クリスポールはターンノーバーが少なく,アシストが多い.効率性(efficiency)という観点から見れば,リーグ一かもしれない.
デービスは開幕当初はmvp本命に推されていた.しかし若干欠場が多く,チーム順位も低いので多分ない.
ホルフォードは個人成績は物足りないが,革命的なホークスの戦いぶりを見るとhonorable nominationには相応しい.

NBA: ラッセル・ウエストブルック,トリプルダブル連発で大爆発


Another day, another Russell Westbrook triple-double | ProBasketballTalk

okcサンダーのラッセル・ウエストブルックは現地時間日曜日のラプターズ戦で30得点,11リバウンド,17アシストを記録し,直近6試合で5回目のトリプルダブルを達成した.試合はサンダーが108-104で勝利した.
ウエストブルックは,今シーズン序盤を右手の骨折で14試合欠場した.オールスター前から調子を上げ始め,オールスターでは歴代2位の得点を挙げてMVPを獲得した.オールスター明けは一試合平均34.3点,10.3リバウンド,11.4アシストで一試合平均がトリプルダブルという驚異的な成績を上げている.

今シーズンの試合別成績


得点ランキングでも27.4PPGでトップに立っている.

チーム成績

オクラホマシティ・サンダーは過酷なウエスタンカンファレンスで苦戦を強いられている.現在8位.ウエストブルック同様にエースのケヴィン・デュラントもシーズンの過半を欠場している.ちなみにデュラントは今も欠場を続けている.

ウエスタンの順位

Western Conference W L W/L% GB PS/G PA/G SRS
Golden State Warriors (1) 49 12 0.803 109.8 99.7 9.88
Memphis Grizzlies (2) 44 18 0.71 99.3 95.6 3.71
Houston Rockets (3) 43 20 0.683 1.5 103.3 99.7 3.84
Portland Trail Blazers (4) 41 20 0.672 102.4 97.4 4.96
Los Angeles Clippers (5) 40 23 0.635 10 106.3 100.4 6.43
Dallas Mavericks (6) 41 24 0.631 4.5 104.4 100.4 4.08
San Antonio Spurs (7) 39 23 0.629 5 101.3 97.2 4.06
Oklahoma City Thunder (8) 35 28 0.556 7 102.3 99.6 2.74
New Orleans Pelicans (9) 34 29 0.54 10.5 99.4 99 0.52
Phoenix Suns (10) 33 31 0.516 17.5 105.3 104.8 0.32
Utah Jazz (11) 26 36 0.419 15.5 95.2 96 -0.07
Denver Nuggets (12) 22 41 0.349 20 99.7 104.2 -4.23
Sacramento Kings (13) 21 40 0.344 28 100.6 104.7 -3
Los Angeles Lakers (14) 16 46 0.258 33.5 99.3 105.7 -5.32
Minnesota Timberwolves (15) 14 47 0.23 27 98 105.6 -6.86

残りは20試合であり,ホームコートアドヴァンテージを得られる4位以上の獲得は難しいだろう.そして,アンソニーデーヴィスを要するペリカンズも1ゲーム差で追っていて,プレーオフ自体も安泰ではない.
今後のウエストブルックの活躍がウエスト戦線の様相に大きな影響を与えることは間違いない.

NBA; デンバーナゲッツ,ブライアン・ショーヘッドコーチを解雇


Nuggets fire coach Brian Shaw | FOX31 Denver
2年足らずの監督期間ののち,ナゲッツはブライアンショーヘッドコーチを解雇したと火曜日に発表した.多分元々の顔がそうなのだろうが,ゲーム中でも覇気のない顔でサイドラインから戦況を見つめる姿が印象に残っている



この人はフィル・ジャクソンと縁が深い.現役終盤にはLALでプレイし,スリーピート達成時の控えガードを務めた.そのあとはアシスタントコーチとして経験を積み,満を持して昨シーズンからナゲッツのコーチに就任した.
しかし,選んだチームが悪かったのかもしれない.今シーズンのチームの成績は5割を大きく下回ったままで,昨シーズンよりも悪化.トレード期限間際には解体的なトレードを行って明確に再建モードに入った.その時点で解雇は既定路線だったのかもしれない.
しかし,昨年からの主力でもウエストを勝ち抜くには不十分だった.ショーは明確な再建モードにあるわけでも,上位進出が望めるわけでもない戦力を与えられた格好だったのだから,不憫な気もする.
フィルジャクソンの弟子という意味では今をときめくGSWのスティーブ・カーと同じような(コーチとしての下積みはそれ以上の)キャリアなだけに,両者のコントラストは残酷だ

デンバーの今後

再建モードに入る.ヘッドコーチは暫定的にMelvin Huntが務めるが,もう死に体だ.ドラフトでの大当たりとトレードで開けたキャップスペースを使った再建というお馴染みの方法をとるのだろう.